介護技能評価試験の選択肢は、**4つとも「やりそうなこと」**が並びます。まったくの見当ちがいは少なく、「一見よさそうだが誤り」という形でひっかけてきます。ここでは間違えやすいポイントを12個、正解の理由とセットで整理します。

1. 着がえの順番(脱健着患)

  • ❌ 脱ぐのも着るのも、動くほうから
  • ✅ 脱ぐときは健側(動くほう)から、着るときは患側(麻痺のあるほう)から

理由: 動かない患側に無理な力をかけないため。**脱健着患(だっけんちゃっかん)**と覚えます。

2. 車いすを置く位置

  • ❌ 介助しやすい位置に置く
  • ✅ 健側(麻痺のない側)に置く

理由: 健側から動けば、利用者が自分の力を使えるから。介助者の都合ではなく利用者の力が基準です。

3. 急な坂道を車いすでおりる

  • ❌ 前向きでゆっくりおりる
  • ✅ 後ろ向きになって、ゆっくりおりる

理由: 前向きだと利用者は前に落ちそうで怖く、実際に危険です。「ゆっくり」だけでは正解になりません。

4. ノロウイルスの消毒

  • ❌ アルコールで消毒する
  • ✅ 塩素系の消毒液で消毒する

理由: ノロウイルスにはアルコールがききにくい。嘔吐物の処理は、使い捨て手袋とマスクをつけ、換気しながら静かにふき取り、そのあと塩素系で消毒します。

5. 使い捨て手袋の交換

  • ❌ よごれたら交換する
  • ✅ 一人のケアが終わるごとに交換する

理由: 見た目がきれいでも病原体は付いています。外したあとの手洗いもセットです。

6. むせやすい人の水分

  • ❌ 水分を減らす/やめる
  • ✅ とろみ剤でとろみをつけて、ゆっくり飲んでもらう

理由: さらさらの水分はのどを速く流れるのでむせやすい。ただし水分をやめると脱水になります。「減らす」は常に誤りです。

7. 認知症の人が事実とちがうことを言った

  • ❌ 「ちがいますよ」と正しく教える
  • ✅ 間違いを否定せず、気持ちを受け止める

理由: 強い否定は不安と混乱を大きくします。「正しく訂正する」はやさしそうに見えて誤りです。

8. 耳が聞こえにくい人への話し方

  • ❌ 耳元で大きな声でさけぶ
  • ✅ 正面から顔を見せて、低めの声でゆっくり・はっきり話す

理由: 老化では高い音から聞こえにくくなります。大声にすると音が高くなり、かえって伝わりません。

9. 「いつもとちがう」と感じたとき

  • ❌ しばらく様子を見る
  • ✅ すぐにリーダーや看護師に報告する

理由: 「いつもとちがう」は重要なサインです。様子を見る・自分で判断するタイプの選択肢は、安全に関わる場面ではほぼ誤りです。

10. 火事を見つけたとき

  • ❌ まず消火器で消そうとする
  • ✅ 大声で「火事だ」と知らせて、利用者の避難を優先する

理由: 火を消すことより命を守る避難が先。避難にエレベーターは使いません。

11. 何でも手伝ってあげる

  • ❌ 利用者が困らないように、全部介助する
  • ✅ できることは本人にしてもらい、できないところだけ手伝う

理由: 自立支援の考え方です。何でもやってしまうと、できる力が失われ、廃用症候群にもつながります。この形のひっかけは全分野に出ます。

12. 服や予定を職員が決める

  • ❌ 「今日はこれを着ましょうね」と決めてあげる
  • ✅ 「赤い服と青い服、どちらがいいですか」と選んでもらう

理由: 自己決定を支えることが尊厳を守ることにつながります。小さなことでも本人に選んでもらいます。

見抜き方のまとめ

ひっかけ選択肢には、共通するパターンがあります。

ほぼ誤りの選択肢 ほぼ正解の選択肢
全部介助する 見守る・できるところは本人に
職員が決める 本人に選んでもらう
様子を見る/あとで報告 すぐに報告する
声をかけずに始める 説明して同意をもらう
責める・注意する 気持ちを受け止める
体をおさえる 理由を考えてかかわる

**「声をかける」「確認する」「見守る」「報告する」**が入っている選択肢は、正解の可能性が高いと覚えておいてください。

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