介護技能評価試験の学科試験は40問です。そのうち20問が「生活支援技術」、さらに実技試験5問も生活支援技術から出ます。つまり45問中25問、半分以上がこの分野です。ここを落とすと合格は難しくなります。
この分野で問われていること
生活支援技術の問題は、知識を暗記しているかではなく、**「その場面で、どう動くのが安全で、利用者の力をうばわないか」**を問う形で出ます。選択肢は4つとも「やりそうなこと」が並びます。正解を選ぶ基準は、だいたい次の3つに集約されます。
- 安全が最優先(ブレーキ、湯温の確認、声かけ)
- 利用者のできる力を残す(全部やってあげない=自立支援)
- はずかしさ・尊厳への配慮(カーテン、さりげない声かけ)
迷ったら、この3つに一番あてはまる選択肢を選ぶと当たりやすくなります。
場面別・かならず覚える原則
移乗(ベッド ⇄ 車いす)
| 覚えること | 内容 |
|---|---|
| 最初にすること | 車いすのブレーキをかける |
| 車いすを置く位置 | 健側(麻痺のない側) |
| 理由 | 健側から動くと利用者が自分の力を使える |
「移乗」と「移動」はことばが似ていますが意味がちがいます。乗りうつるのが移乗、場所から場所へ動くのが移動です。
着がえ(更衣)
脱健着患(だっけんちゃっかん)。この4文字だけは丸暗記してください。
- 脱ぐとき → 健側(動くほう)から
- 着るとき → 患側(麻痺のあるほう)から
患側に無理な力をかけないための順番です。右片麻痺なら、脱ぐのは左手から、着るのは右手から。
歩行の介助
| 場面 | 正解 |
|---|---|
| 立つ位置 | 患側の少しうしろ(ふらついたらすぐ支えられる) |
| 杖の3動作歩行 | 杖 → 患側の足 → 健側の足 |
杖と健側の足で体を支えながら患側を動かすので、この順番になります。
車いすの操作
- 急な坂をおりる → 後ろ向きでゆっくり。前向きは利用者が前に落ちそうで怖く、危険
- 小さい段差を上がる → 声をかけてからティッピングレバーを踏んで前輪を上げる
- 使う前の点検 → ブレーキがきくか、タイヤの空気が減っていないか(空気が少ないとブレーキがききにくい)
食事の介助
- 飲み込んだことを確認してから次の一口を運ぶ(誤嚥予防)
- むせやすい人にはとろみ剤。水分をやめるのは脱水になるので誤り
- 目が見えない利用者にはクロックポジション(「6時の位置にごはんがあります」)
- 部屋を明るく、テレビは消す
入浴・清潔
| 項目 | 目安・ポイント |
|---|---|
| 湯温 | 39〜41℃を介助者が手で確認 |
| 湯につかる時間 | 5分くらい(長湯はのぼせの原因) |
| シャワー | 足元からゆっくりかける(心臓から遠い所から) |
| 清拭 | 拭く所だけ出す。手足は指先から体の中心へ |
| 洗髪 | つめを立てず指の腹で |
| 入浴後 | 水分補給と保湿 |
| 義歯 | 外して流水+専用ブラシ。熱湯・研磨剤入り歯みがき粉はNG。保管は水につける |
排泄
排泄は「はずかしい」という気持ちがいちばん大きい場面です。技術より配慮が問われます。
- 生活リズムに合わせてさりげなく定期的に声をかける
- おむつ交換は声かけ+カーテンを閉める
- 失敗しても責めない。責めると水分をひかえて脱水につながる
- そわそわする、ズボンにさわるなどは尿意・便意のサイン。体をおさえるのは身体拘束でNG
移動・体位・環境
- ボディメカニクス=①利用者に近づく ②足を広げる ③ひざを曲げて重心を低く
- クッションは体とベッドのすき間に入れて安定させる
- シーツのしわをのばすのは褥瘡(床ずれ)予防のため
- 眠りやすい環境=暗く・静かに・暑すぎず寒すぎず。夜のカフェインは避ける
選択肢のひっかけパターン
過去に多くの学習者が間違える形は、だいたい次の3つです。
- 「すべて介助する」選択肢 — やさしそうに見えて誤り。自立支援に反します
- 「本人に確認せず職員が決める」選択肢 — 自己決定の否定なので誤り
- 「あとでまとめてやる」「様子を見る」選択肢 — 安全に関わる場面ではほぼ誤り
逆に、声をかける・確認する・見守るが入っている選択肢は正解のことが多いです。
練習問題で確認する
このページの内容は、当サイトの練習問題と同じ範囲です。読んだ直後に解くと定着します。
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