「コミュニケーション技術」は学科40問のうち4問です。出題数は少ないですが、得点しやすい分野です。正解の考え方がはっきりしていて、ひっかけのパターンも限られているからです。ここは確実に取りにいきましょう。

この分野の答えの型

コミュニケーションの問題は、次の4つの原則にあてはめれば、ほぼ答えが出ます。

  1. 説明して、同意をもらってから始める
  2. 利用者を人生の先輩として敬う(敬語、目線の高さ)
  3. 最後まで聞く(さえぎらない、否定しない)
  4. 自分で判断せず、報告・連絡・相談する

逆に、**「自分で判断する」「あとで伝える」「その場をおさめる」**タイプの選択肢は、ほぼ誤りです。

介護をはじめる前に

かならずこれからすることを説明して、同意をもらう。これをインフォームド・コンセントといいます。急に体にさわる、後ろから声をかける、黙って介助を始める——これらはすべて誤りの選択肢として出ます。

初対面のあいさつも同じ考え方です。相手の目を見て、笑顔で、自分の名前を言ってから始めます。

相手に合わせた話し方

相手 正しい対応 よくある誤りの選択肢
耳が聞こえにくい人 正面から顔を見せて、低めの声でゆっくり・はっきり 耳元で大声でさけぶ/声かけをせずに介助する
目が見えにくい人 位置を具体的な言葉で伝える(「正面にごはん、右にお茶」) 「そこ」「あっち」/全部介助してしまう
認知症の人 短い言葉で、ゆっくり、一つずつ 一度にまとめて説明する/間違いを強く注意する
車いすの人 腰を低くして目の高さを合わせる 立ったまま見下ろして話す

高い音から聞こえにくくなるのは老化の特徴です。だから大声ではなく低い声。ここは「こころとからだのしくみ」の知識とつながっています。

言葉づかい

利用者は人生の先輩です。敬語を基本に、かたくなりすぎない、あたたかい話し方をします。

  • 子ども扱いした言葉(「〜ちゃん」「〜してねー」)は尊厳を傷つけます
  • 呼び捨てもいけません
  • 本人がいないところでもていねいな呼び方を守ります

傾聴

傾聴とは、相手の話を途中でさえぎらず、最後まで、気持ちに寄りそって聞くことです。

すぐに否定する、ほかのことをしながら聞く、アドバイスで話を終わらせる——これらは「聞いてもらえない」と感じさせ、信頼関係をこわします。

記録と申し送り

ここは書き方のルールが問われます。

介護記録

  • 想像や意見ではなく、見たこと・聞いたことの事実をそのまま書く
  • その日のうちに書く
  • 転倒などの出来事こそ、かならず記録して報告する

申し送り

勤務交代のときに、次の職員へ情報を渡すことです。伝えるのは体調の変化、食事や排せつの様子、事故を防ぐための注意点。伝えもれが事故につながります。

判断に迷う場面

「いつもとちがう」と感じたとき

すぐにリーダーや看護師に報告する。自分で判断して様子を見るのは誤りです。「ほうれんそう(報告・連絡・相談)」は介護職の基本です。

苦情を言われたとき

順番が決まっています。

  1. まず話を最後まで聞く
  2. いやな思いをさせたことをあやまる
  3. 上司に報告する

言い返す、無視する、自分だけの判断で約束する——すべて誤りです。苦情はサービスをよくするための情報だ、という位置づけで出題されます。

家族から質問されたとき

心配な気持ちを受け止め、ていねいに対応します。わからないことは適当に答えず、上司や担当者に確認してから答えます。

ほかの利用者のことを聞かれたとき

「ほかの方のことは、お話しできません」とていねいに断る。 介護職には守秘義務があります。小さい声で話しても同じです。プライバシーを守ることは、尊厳を守ることです。

自己決定を支える声かけ

服を選ぶような小さなことでも、本人に選んでもらう声かけをします。

  • ○「赤い服と青い服、どちらがいいですか」
  • ×「今日はこれを着ましょうね」

職員が何でも決めてしまうと、本人の意欲や生きる力が弱くなります。この考え方は自立支援とつながっています。

練習問題で確認する

→ コミュニケーション技術の練習問題 15問を解く(無料・解説付き)

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