「こころとからだのしくみ」は学科40問のうち6問。数は多くありませんが、ここで学ぶ知識は生活支援技術の問題を解くときの土台になります。「なぜその介助が正しいのか」がわかると、知らない場面の問題でも答えを推測できるようになります。

老化で体はどう変わるか

試験でくり返し問われるのは「年をとると何が起きるか」です。表で覚えてください。

部位・機能 老化による変化 介護での対応
目 近くが見えにくい(老眼) 物の位置を言葉で伝える
耳 高い音から聞こえにくい 低めの声でゆっくり・はっきり
筋肉・骨 筋力低下、骨がもろくなる(骨粗しょう症) 転倒予防。少し転んだだけで骨折する
記憶 新しいことは覚えにくい/昔のことは覚えている 昔の話を聞くのは良いかかわり
睡眠 眠りが浅く、夜中に目が覚める 昼に体を動かす、朝の光をあびる
皮膚 乾燥しやすい 入浴後に保湿クリーム
のどのかわき 感じにくい 時間を決めてこまめに水分をすすめる

**「高い音が聞こえにくい」→「だから低い声で話す」**は、コミュニケーション分野でもそのまま出ます。セットで覚えてください。

気づくべき体調のサイン

脱水

高齢者はのどのかわきを感じにくく、体の水分量も少ないため脱水になりやすいです。

サイン: 尿の量が少ない・皮膚や口の中がかさかさ・ぼんやりしている

低栄養

かむ力・のみこむ力・食欲が落ちて食事量が減ると、体重が減り、筋力と免疫の力が落ちます。体重の変化をよく見ることが大切です。

便秘

原因は水分・食物せんい不足、運動不足、腸のはたらきの低下。水分・運動・トイレの習慣で対応します。

バイタルサイン

体温・脈拍・血圧・呼吸(意識を入れることもあります)。「生きているしるし」という意味です。大事なのは数値の暗記ではなく、いつもの値と比べて変化に早く気づくこと。いつもとちがえばすぐ看護師に報告します。

動かないことで起こる問題

この3つはセットで問われます。

用語 意味 予防
褥瘡(床ずれ) 同じ場所に圧がかかり続けてできる 約2時間ごとの体位変換、シーツのしわをのばす
拘縮 関節を動かさないでかたくなる 痛みのない範囲でやさしく動かす
廃用症候群 動かないことで心と体の働きが低下 できる範囲で体を動かす

廃用症候群は、筋力低下・拘縮・褥瘡・便秘・うつ状態など心と体の両方に影響します。「動かないこと自体が原因」という点が答えの核心です。

認知症

出題数が多いテーマです。中核症状とBPSDの区別を必ずおさえてください。

中核症状 BPSD(行動・心理症状)
原因 脳の細胞がこわれることで直接起こる 不安・体の不調・環境などが引き金
例 記憶障がい、見当識障がい(日付・場所がわからない) 落ち着かない、怒りっぽい、徘徊など
対応 — 行動の理由をさがし、安心できるかかわりをする

事実とちがうことを言われたとき → 間違いを否定せず、気持ちを受け止める。強い否定は不安と混乱を大きくします。

環境が変わったとき → 引っ越しや入所で混乱や不安が強くなることをリロケーションダメージといいます。使いなれた家具や写真を置き、なじみのある環境をつくります。

脳卒中の後遺症

  • 脳の障がいが起きた側と反対側の半身に麻痺 → 片麻痺
  • 麻痺のない側が健側、麻痺のある側が患側
  • 健側の力をいかして生活を工夫する

この「健側・患側」の考え方が、生活支援技術の脱健着患や移乗は健側からにつながります。

高齢者のこころ

高齢期は喪失体験が多い時期です。配偶者や友人との別れ、退職による役割の喪失、健康の喪失。これらが悲しみや不安、うつ状態につながることがあります。

対応の基本は、話を聞き、その人の役割や楽しみを大切にすること。「気にしないで」「元気を出して」と流す選択肢は誤りです。

練習問題で確認する

→ こころとからだのしくみの練習問題 20問を解く(無料・解説付き)

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