飲食店の仕事でいちばん大事なのが衛生管理です。料理の腕がよくても、衛生を守れなければお客様の健康を害します。食中毒を1件起こせば、店が営業できなくなることもあります。試験でも重点的に問われる分野です。

答えの基準は3つ

衛生管理の問題は、次の3つにあてはめると答えが出ます。

  1. 菌をつけない(手洗い、器具の使い分け)
  2. 菌をふやさない(温度管理、早く冷ます)
  3. 菌をやっつける(十分な加熱、消毒)

これが**食中毒予防の三原則「つけない・ふやさない・やっつける」**です。迷ったらこの3つのどれにあたるかを考えてください。

手洗い

すべての基本です。

場面 正しい方法
トイレのあと かならず石けんで洗う
洗う範囲 指の間・爪の先・親指・手首まで
手をふく 使い捨てのペーパータオル
電話・お金・ドアノブにさわったあと 調理に戻る前に洗う

洗い残しが出やすいのは、指の間・爪の先・親指・手首です。ここを意識してください。

手袋をしていても油断は禁物です。 作業がかわるたびに交換し、外したあとは手を洗います。

二次汚染をふせぐ

生の肉や魚を切ったまな板・包丁で、そのまま野菜を切らない。 これが二次汚染です。

  • 洗って消毒してから使う、または専用のまな板を使い分ける
  • 冷蔵庫では、生の肉や魚は下の段に置く(ドリップが下に落ちるため)
  • ふきんは用途ごとに分け、こまめに交換する

温度管理

数字が出る範囲なので、確実に覚えてください。

項目 温度
冷蔵 10℃以下
冷凍 -15℃以下
加熱(中心部) 75℃で1分以上
ノロウイルス対策の加熱 85〜90℃で90秒以上

細菌がいちばんふえるのは常温です。 だから、作った料理をすぐ出さないときは早く冷まして冷蔵し、出すときに再加熱します。ゆっくり冷ますと危険な温度帯に長くとどまります。

解凍は冷蔵庫の中で。 常温で解凍すると表面が危険な温度帯になります。急ぐときは流水か電子レンジを使い、一度解けたものを再び凍らせてはいけません。

ノロウイルス

ひっかけとして頻出です。

  • アルコールが効きにくい → 塩素系の消毒液を使う
  • 加熱には弱い(中心部を85〜90℃で90秒以上)
  • 冬に多く発生する

嘔吐物の処理は、使い捨て手袋とマスクをつけ、換気しながら外側から内側へ静かにふき取り、塩素系で消毒します。

体調管理

下痢・嘔吐・発熱・手の傷があるときは、かならず責任者に報告します。 調理を外れるかどうかの判断は責任者が行います。

  • 毎日、出勤前に体調を確認して記録する
  • 同居の家族が感染性の病気のときも報告する
  • 手の傷は、防水のもので覆ってから手袋をする(報告も必要)

「忙しいから」「軽いから」と黙って働くと、多くのお客様に被害が広がります。

異物混入

料理に髪の毛などが入っていたら、その料理は出しません。 取り除いても、ほかにも入っている可能性があります。責任者に報告して作り直します。

予防としては、帽子で髪を覆う、指輪や腕時計を外す、爪を短く切る、マニキュアをしない、が基本です。

期限と在庫

ことば 意味
消費期限 安全に食べられる期限。過ぎたら使わない
賞味期限 おいしく食べられる期限
先入れ先出し 先に仕入れたものから先に使う

補充のときは古いものを手前に出します。新しいものを手前に置くと、古いものが奥に残って期限切れになります。

HACCP

危険が起こりやすい工程(加熱温度・保管温度など)をあらかじめ決めて、記録を取りながら管理する方法です。できあがりの検査だけに頼らず、工程で防ぐという考え方で、飲食店にも導入されています。

練習問題で確認する

→ 衛生管理の練習問題 30問を解く(無料・解説付き)

関連: 特定技能「外食業」の全体像 / 飲食物調理の対策 / 外食のことば