介護日本語評価試験の「介護の会話・声かけ」(5問)と、実際の仕事の両方に必要な範囲です。むずかしい敬語を覚える必要はありません。 現場で使う形は限られているので、その形だけを身につけましょう。

3つの敬語

日本語の敬語は3種類ありますが、介護の現場ではまず丁寧語を確実に使えれば大丈夫です。

種類 何をするか 例
丁寧語 文の終わりをていねいにする 食べます/です・ます
尊敬語 相手の動作を高める 召し上がる(=食べる)
謙譲語 自分の動作を低める いただく(=もらう・食べる)

まちがえやすいポイント: 尊敬語は相手に、謙譲語は自分に使います。自分の動作に尊敬語を使うと不自然になります。

現場でよく使う言いかえ

覚える数を絞りました。この表の分だけで、日常の場面はほぼカバーできます。

ふつうの言い方 尊敬語(利用者に使う) 謙譲語(自分に使う)
食べる 召し上がる いただく
見る ご覧になる 拝見する
言う おっしゃる 申す
行く・来る いらっしゃる 参る
いる いらっしゃる おる
する なさる いたす
知っている ご存じ 存じる

使用例

  • 「朝ごはんを召し上がりましたか」(利用者に)
  • 「田中さんがいらっしゃいました」(利用者について)
  • 「私が参ります」(自分が行く)

利用者への声かけ

利用者は人生の先輩です。敬語を基本にしながら、かたくなりすぎない、あたたかい話し方をします。

介助を始めるとき

表現 場面
失礼します 部屋に入るとき
これから〜をお手伝いします 何をするか伝える
よろしいですか 同意をもらう
〜しましょうか やわらかく誘う

声をかけずに介助を始めるのは、どんな場面でも誤りです。試験でもくり返し問われます。

体調を確認するとき

表現 意味
ご気分はいかがですか 全般的な体調
どこか痛いところはありますか 痛みの確認
お加減はいかがですか 体調全般(ややかたい)
眠れましたか 朝の声かけ

選んでもらうとき

自己決定を支える言い方です。

  • 「赤い服と青い服、どちらがいいですか」
  • 「お茶とお水、どちらになさいますか」

待ってもらうとき

  • 「少々お待ちください」
  • 「すぐに参ります」

避けるべき言い方

試験でも誤りの選択肢として出ます。

ダメな言い方 なぜダメか 正しくは
〜ちゃん、〜くん 子ども扱いで尊厳を傷つける 〜さん
呼び捨て 同上 〜さん
「〜してねー」「だいじょーぶ?」 くだけすぎ 〜しましょうか/大丈夫ですか
「早くして」 せかすのは禁物 ゆっくりで大丈夫ですよ
「また?」「さっきも言ったでしょう」 相手を追いつめる (何度でもおだやかに答える)
赤ちゃん言葉 尊厳を傷つける ふつうの敬語で

本人がいないところでも、ていねいな呼び方を守る——これも試験に出ます。職員同士の会話で呼び捨てにしていると、態度は必ず表に出ます。

職員同士のやりとり

利用者への言い方とは少しちがいます。正確さと簡潔さが優先されます。

報告する

表現 場面
ご報告があります 話しかけるとき
〜さんですが、〜という状態です 事実を伝える
確認をお願いします 判断を仰ぐ
〜してもよろしいでしょうか 許可を求める

報告の型: だれが → いつから → どんな状態か → 数値

「田中さんですが、昨夜から食欲が低下しています。夕食は3割でした。体温は36度8分です。」

わからないとき

これがいちばん大事な表現です。

表現 場面
すみません、もう一度お願いします 聞き取れなかった
〜の意味を教えていただけますか ことばがわからない
確認させてください 理解が合っているか確かめる
申し訳ありません、まだわかりません 正直に伝える

わからないまま「はい」と答えるのがいちばん危険です。 介護は利用者の命に関わる仕事なので、わからないことは必ず聞き返してください。聞き返すことは、恥ずかしいことではありません。

あやまるとき

表現 強さ
すみません 軽い
申し訳ありません ふつう
申し訳ございません 強い

苦情を受けたときは「いやな思いをさせてしまい、申し訳ありません」と伝え、そのあと上司に報告します。

練習問題で確認する

→ コミュニケーション技術 15問 / 介護のことば 15問

関連: コミュニケーション技術の対策 / 声かけ・記録のことば / 介護日本語評価試験とは