食品工場でいちばん多く問われるのが一般衛生管理です。HACCPも、この土台の上に成り立っています。土台がぐらついていれば、重要管理点をいくら見張っても製品の安全は守れません。

答えの基準は3つ

衛生の問題は、次の3つにあてはめると答えが出ます。

  1. 菌や異物をつけない(入場手順、手洗い、器具の使い分け)
  2. ふやさない(温度管理、置きっぱなしにしない)
  3. やっつける(決められた加熱、洗浄・殺菌)

迷ったら「この選択肢は、3つのどれを守っているか」を考えてください。どれも守っていない選択肢が不正解です。

入場手順

工場に入るまでの手順そのものが、試験によく出ます。

順番 すること 目的
1 私服を脱いで作業着に着がえる 外のよごれを持ちこまない
2 髪をまとめ、帽子・マスクをつける 毛髪の落下をふせぐ
3 粘着ローラーをかける 毛やほこりを取る
4 手を洗い、消毒する 手の菌を減らす
5 エアシャワーを通る 残ったほこりを風で落とす

順番に意味があります。 着がえる前にローラーをかけても、外の服のほこりが残ります。手を洗ってから着がえると、着がえで手がまた汚れます。工場ごとに掲示があるので、掲示にしたがってください。

身だしなみ

  • 指輪・ピアス・時計・ネックレスは外す。結婚指輪も例外ではありません。落ちれば異物、すき間には菌がたまります
  • 爪は短く切る。つけ爪・マニキュアは禁止。爪の中は洗い残しが出やすい場所です
  • マスクは鼻と口の両方を覆う。鼻を出していると意味がありません
  • 作業着のポケットは、胸ポケットをなくす・使わない工場が多いです。かがんだときに中身が落ちるからです
  • 私物(スマートフォン・化粧品・薬)は持ちこまない。決められたロッカーに置きます

5S

工場の基本の考え方です。ことばの意味を問われます。

ことば 意味
整理 いらないものを捨てる
整頓 必要なものを決めた場所に置く
清掃 汚れを取る
清潔 整理・整頓・清掃を保った状態にする
しつけ 決めたことを守り続ける

「5S」に含まれないものを選ばせる問題がよく出ます。節約・生産・成績などは5Sではありません。

交差汚染とゾーニング

交差汚染とは、汚れているものから、きれいなものへ菌がうつることです。

  • 加熱前の材料にふれた手袋・器具で、加熱後の製品にさわらない
  • 材料と製品を同じ台に並べない
  • 床に落ちたものは、洗っても加熱しても製品に戻さない

ゾーニングは、工場の中を清浄度で区分けする考え方です。汚染区域(受け入れ・下処理)→ 準清浄区域(加熱)→ 清浄区域(冷却後の充填・包装)と分け、人・もの・空気が、きれいな方から汚い方へ一方向に流れるようにします。逆流させないことが動線の基本です。

そ族・昆虫の防除

ねずみや虫を入れないための決まりです。

  • 外に通じる扉は開けっぱなしにしない。網戸・カーテン・シャッターを使う
  • 建物のわずかなすき間もふさぐ
  • 外灯は建物から離す、または虫の集まりにくい光にする
  • ごみは決められた場所に密閉して置く
  • 殺虫剤をまくより、入れない・住まわせないことが先です

体調の申告

食品工場では、体調不良の申告が決まりになっています。

  • 下痢・嘔吐・発熱・手の傷や化膿があるときは、作業前に必ず申告する
  • 同居家族に同じ症状があるときも申告する対象になる工場があります
  • 申告した人が責められることはありません。だまって作業に入る方が、はるかに大きな問題になります

傷とばんそうこう

小さな切り傷でも報告します。傷口には食中毒の原因になる菌がいることがあり、ばんそうこうがはがれれば異物にもなります。工場では色のついたばんそうこうを使い、落ちてもすぐ気づけるようにしています。

練習問題で確認する

→ 一般衛生管理の練習問題 25問を解く(無料・解説付き)

関連: 特定技能「飲食料品製造業」の全体像 / HACCPの対策 / 労働安全衛生の対策